2021年11月5日、『エターナルズ』が公開されます!
MCUシリーズ26作目は、太古の昔から地球を守り続けた、宇宙最強の種族・エターナルズが活躍する、これまでから更にスケールアップした物語になりました。
本作を監督するのは、『ノマドランド』(2020)で、アカデミー賞の作品賞と監督賞を受賞したクロエ・ジャオ。そしてエターナルズのメンバー役には、多様なバックグラウンドを持った俳優たちが集結しました。

アンジェリーナ・ジョリーがいるのはわかった!
そこで今回は、主要なメンバーたちがそれぞれ過去に携わった映画をご紹介します!
『1917 命をかけた伝令』(2019)
第一世界大戦の西部戦線。ドイツ軍が前線から撤退したことを受け、イギリス軍は一気に追撃する総攻撃を仕掛ける作戦を実行しようとしていました。しかしそれは独軍の罠であったことが判明。出陣した第二大隊に攻撃中止を伝えるため、陸軍上等兵のブレイクとスコフィールドは、危険な無人地帯を徒歩で進み、隊が野営するクロワジルの森へと伝令するように命じられます。彼らは塹壕を出発すると、死体が転がる無人地帯を横断し、独軍の拠点へと乗り込みます。砦の中はもぬけの殻で一息つく彼らでしたが、そのとき仕掛けられていたトラップが発動して爆発が起こります。瓦礫の下敷きになったスコフィールドを、ブレイクが必死で掘り出して助け、更に先へと進み始めるのでした。
本作の特徴は、なんといっても「全編ワンカット」で壮絶な戦地を描いた、という驚異の映像にあります。この演出により、観客は遠い世界の話であったはずの過去の戦争に、臨場感と即時性を感じることができます。
もちろん、ほんとうに全てを1台のカメラで終始したわけではなく、古くは『ロープ』(1948)、近年でも『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)などと同じように、カットとカットの間に暗いシーンを挟むことで、ひとつに流れるように見せた特撮でした。
監督は、『アメリカン・ビューティー』(1999)や『007 スペクター』(2015)などのサム・メンデス。主演の2人には若手俳優が起用されましたが、脇を固めるのがマーク・ストロングやコリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチなど、安定感のある配役となりました。
エターナルズの一員、イカリスを演じたリチャード・マッデンは、本作ではブレイクの兄を演じています。
『ゴジラvsコング』(2021)
陰謀論者で動画配信者であるバーニーは、大手IT企業であるエイペックス・サイバネティクスの秘密を探るべく、エンジニアとして勤務しながら潜入調査を進めていました。しかしある日、その本社が上陸した巨大怪獣・ゴジラに襲撃されます。しかし、破壊されて崩れていく建物の中で、彼は謎の装置を目撃するのでした。そのエイペックスのCEOであるシモンズは、怪獣の調査を行う研究機関であるモナークに接触、かつて所属していたネイサンのものを訪れます。彼らは、怪獣たちの故郷である、地下の空洞世界を訪れ、ゴジラに対抗する新兵器を作ることを目論んでいました。その手段として、髑髏島でモナークが保護していた、超巨大類人猿であるコングを利用しようとしていました。しかし、コングを海路で輸送する中、またもやゴジラが襲撃、そして2頭は熾烈な戦いを繰り広げます。
「モンスター・バース」と名付けられたシリーズ。これまでにゴジラが2作、コングが1作作られたのち、ついにその2頭が相まみえることになりました。本作のコングはなんと体長100メートル超えとなり、ゴジラと肉弾戦を繰り広げます。その格闘シーンが、もはやCGだとは思えないほどの機敏な動作の連続で、目が離せません。そして、日本版ゴジラでもおなじみのキャラクターの登場も嬉しいサプライズでした。

ガッズィーラ!
監督は『サプライズ』(2011)や『ブレア・ウィッチ』(2016)などのホラーを手掛けてきたアダム・ウィンガード。出演は、『ターザン:REBORN』(2016)のアレクサンダー・スカルスガルドや『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(2016)のレベッカ・ホール、ピーター・ジャクソン版の『キング・コング』(2005)にも出ていたカイル・チャンドラーなど。日本から小栗旬も参加しています。
エターナルズのファストスを演じたブライアン・タイリー・ヘンリーは、本作では動画配信者のバーニー役を演じています。『ジョーカー』(2019)では主人公の申し出を拒否する病院の窓口の男性を演じていました。
『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2017)
心臓外科医のスティーヴンは長女のキム、次男のボブ、妻のアナと幸せに暮らしています。ここのところは、マーティンという青年とたびたび会っていました。彼はスティーヴンが手術を担当した心臓病患者の息子でしたが、残念ながら父親の命は助からず、その後、何かと気にかけてあげる存在だったのです。食事をともにするため自宅に招待してもマーティンは非常に礼儀正しく、子どもたちも可愛がってくれ、素晴らしい好青年ぶりでした。しかし、次第に彼は毎日職場や自宅の周りに現れるようになり、スティーヴンはそのエスカレートした行動に疑問を持ち始めます。そんなある日、息子のボブが「足が動かない」と言い始めるのでした。
『籠の中の乙女』(2009)や『ロブスター』(2015)などの怪作を生み出し続ける、ヨルゴス・ランティモスが監督。幸せな家庭に対してじわじわと浸透していく悪意のようなものを、独特のカメラワークで描きます。さまざまな解釈ができそうな真相、そして後味の悪い衝撃的なラストもインパクトがある作品でした。
主演のスティーヴンは『フォーン・ブース』(2002)や『トータル・リコール』(2012)のコリン・ファレル。妻のアナ役は『ムーラン・ルージュ』(2001)や『ドッグヴィル』(2003)のニコール・キッドマンと、豪華なコンビが揃いました。
そして、無機質なのに不気味な青年・マーティンを演じたのがバリー・コーガン。『ダンケルク』(2017)や『アメリカン・アニマルズ』(2018)でもその独特の個性を発揮しています。エターナルズではドルイグを担当しました。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)
金融機関に務めるエリートサラリーマンのソグは、別居中の妻に会うために、小さな娘を連れてソウルから釜山行きの高速鉄道に乗ります。その列車には、発車直前に飛び乗り、そのまま通路にうずくまってしまった女性がいました。その様子を見て介抱しようとした乗務員は、急遽凶暴化した彼女に襲われてまいます。するとその乗務員にも同じ症状が。そして列車内に次々に感染者が増え、阿鼻叫喚の状況になってしまいます。当初は自分たちだけが助かろうと画策するソグでしたが、逃げるうちに娘と別々の車両にはぐれてしまいました。同様に、パートナーとはぐれてしまった無骨なサンファ、野球部のヨングクと共に、感染者で溢れる車両を突っ切って救助に向かうのでした。
列車という密室を舞台としたゾンビ映画です。そのアイデアの目の付けどころも良いですが、俊敏なゾンビたちの大群を表したアクションと特撮技術は、ハリウッド映画に決して引けを取りません。その一方で、韓国特有のウェットなメロドラマがふんだんに繰り広げられる、奇妙なバランスの作品でした。
続編の『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2020)では、さらにスケールアップしたディストピアの世界が描かれ、こちらも合わせて見ることをおすすめします。
エターナルズの一員、ギルガメシュを演じたのが、ドン・リー。これは欧米で活動するときの名前で、韓国ではマ・ドンソクとして大活躍。本作では存在感のあるサンファを演じ、その人気をさらなるものとしました。
『17歳のカルテ』(1999)
ベトナム反戦運動の機運が高まる1967年のアメリカ。高校を卒業したばかりのスザンナは、漠然とした不安から大量の薬物を服用したことで病院に担ぎ込まれ、自殺未遂を疑われ、クレイモア精神病院に入院させられることになりました。そこは様々な精神疾患を持った女性たちで溢れた奇妙な場所でした。特に、脱走の常習犯である、暴力的でカリスマ性のあるリサは、スザンナにとっては近寄りがたい存在でした。しかし、女子寮のような日々の生活の中で次第に他の患者たちと打ち解けていき、リサの危険な魅力にも惹きつけられ、いつしか心地よい仲間意識を得られるようになりました。そんなある日、拒食症のデイジーが退院することに。スザンナはリサとともに、病院を脱走し、彼女に会いに行くのでした。
何が病気で何が正常なのか、社会性とは一体何か、深いテーマが根底に流れる一方で、はつらつとした少女たちの青春物語としても成立する、不思議な作品です。また、登場人物たちの体当たりの演技や、衝撃的なクライマックスなどは、長く心に残る映画の一本になるはずです。
監督のジェームズ・マンゴールドはその後『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)や『3時10分、決断のとき』(2007)、『LOGAN/ローガン』(2017)といった、ジャンルに囚われない傑作を発表し続けています。主演は『ビートルジュース』(1988)や『シザーハンズ』(1990)のウィノナ・ライダー。脇役では『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)や『天使にラブ・ソングを…』(1992)のウーピー・ゴールドバーグや、『チャプター27』(2007)や『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)のジャレッド・レトなどが出演。
そして、リサを演じたアンジェリーナ・ジョリーは、本作によって実力派俳優として広く認知されることに。エターナルズでは、最強の戦士セナを担当しています。