日本勢メダル奪取記念 クライミングが題材の映画5選!

映画

2020年東京オリンピックより、スポーツクライミングが新種目となりました。

12m以上の壁にセットされたルートを登り制限時間内での到達を競う「リード」、3〜5mの壁にセットされた複数コースを制限時間内にいくつ登れたかを競う「ボルダリング」、2名の選手がホールドを配置した直角の壁を同時に登り、15mの高さにあるゴールのスイッチを先に触れたほうが勝者となる「スピード」の3つの種目が採用。すぐれた身体能力と判断力が試されるスポーツです。

傾斜が90度を超えてるよね〜すごい握力!

結果、女子競技にて、野中生萌選手が銀メダル、野口啓代選手が銅メダルという、かなりの好成績を残すことになりました!

そこで今回は、クライミングを題材とした映画をご紹介します。

『バーティカル・リミット』(2000)

兄妹のピーターとアニーは、過去のクライミング中に父を転落事故で亡くしました。ピーターはそれ以来、登山から距離を置きましたが、一方のアニーはトップクライマーとして活躍をしていました。ある日アニーは、標高8600mのK2登山に挑むことになり、その旅路で偶然ピーターに出会います。しかし、過去の事故の責任の一端は兄にあると思い込んでいたアニーは、心を開くことができません。そのまま登山に出発したアニーのチームは、雪崩に巻き込まれてクレパスに落下してしまいました。ピーターは仲間を集めて決死の救助に向かうのでした。

山岳映画と言えば、シルベスタ・スタローン主演の『クリフハンガー』(1993)がその代名詞ですが、どちらかというと悪者との戦いに重きを置いた映画で、たまたま舞台を山に選んだところがあります。その点、本作では、真っ向から「非常の山」との異名を持つK2に立ち向かっている映画です。もちろん、アクションとしても見応え抜群でした。

監督はマーティン・キャンベルピアーズ・ブロスナン版の『007 ゴールデンアイ』(1995)とダニエル・クレイグ版の『007 カジノ・ロワイヤル』(2010)をどちらも手掛けた、大作映画を得意とする大御所です。

主演のクリス・オドネルは『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992)で、アル・パチーノ相手に堂々の主役を演じてブレイク。ジョエル・シュマッカー監督版の『バットマン フォーエバー』(1995)などのシリーズではロビン役を担当しました。遭難するスポンサーである企業家役はビル・パクストン。『エイリアン2』(1986)や『アポロ13』(1995)などで重要な役どころとして出演しています。また、レスキュー側の隊長のウィックは、『羊たちの沈黙』(1990)でジョディ・フォスターの上司の捜査官役や『ボーン・アルティメイタム』(2007)のCIA長官などを演じた、スコット・グレンが好演しました。

『フリーソロ』(2018)

「ロープを使って登るのとは違う?」というインタビューに「格段に違うよ」と答えるのは、アメリカのクライマー、アレックス・オノルド。彼は、安全装置を使用しないフリークライミングのスペシャリストでした。そんな彼は、クライミングの聖地と呼ばれ、多数の死者を出している、1kmの絶壁・エル・キャピタンを、素手のみで登頂するという暴挙に挑みます。

第91回アカデミー賞にて、長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した映画です。フリークライミングのスター、アレックスは、複数の登山家たちを取材したドキュメンタリー『クレイジー・フォー・マウンテン』(2018)でも、そのエキセントリックさが際立っていました。

本作では、一手間違えると即死するクライミングのシーンには、はらはらを通り越して、どこか神々しさすら覚えます。

怖くて見てられない・・!

監督は、『MERU/メル―』(2015)でヒマラヤ登山のドキュメンタリーを撮影した、エリザベス・チャイ・バサルヘリージミー・チンの夫婦です。彼ら自身も、何度も危険な冒険を行ってきた登山家であり、説得力のある映像にもうなづけます。

『EXIT』(2019)

就職活動に失敗し、両親や姉たちからも邪魔者扱いされ、身の置き場のないヨンナム。かつては山岳部に所属しており、今でも公園で筋トレをしてはいるものの、その姿は近所の子供たちから馬鹿にされていました。ある日、親戚が一堂に会する、母親の喜寿の祝賀パーティが開かれます。その会場は元彼女である、山岳部の後輩・ウィジュが副主任を努める催事場であり、再会したヨンナムは情けない現状を隠して彼女と接するのでした。そんな中、毒ガスが散布されるテロが起こり、街中に拡散します。パニックになった彼らは上へ上へと逃げ惑います。しかし扉に鍵がかかって屋上に出られない。ヨンナムはかつてのスキルを使ってビルの外壁を登り、一同を救おうと試みます。

近年、アクション大作を次々と発表している韓国映画界。王道パニックアクション映画の本作は、韓国では2019年に『エクストリーム・ジョブ』『パラサイト』についで興行収入3位の動員数となりました。

クライミングシーンにひやひやするのはもちろんのこと、全体的にコメディ寄りの演出が多く、安心して観られる娯楽作となっています。

主演のヨンナムを演じたチョ・ジョンソクは、韓国で大ヒットした恋愛映画『建築学概論』(2012)の脇役で注目された個性派俳優です。また、ヒロインのウィジュは、日本でも人気のガールズグループ「少女時代」のメンバー、イム・ユナが担当しました。

『のぼる小寺さん』(2020)

クライミング部の小寺さんは、大好きなボルダリングに打ち込んでいます。まっすぐな眼差しで、何度落ちても、もう一度挑戦します。しかし、ボルダリングを離れると、どこか不器用で天然なところのある女の子でした。クラスメイトの近藤は、そんな彼女が気になり、つねに目で追ってしまうようになります。どこか達観しているところがあって、一所懸命になるものが見つけられなかった彼ですが、彼女の競技に対する姿勢やその純粋な心持ちに触れることで、次第に心境の変化が現れます。それは彼だけではありませんでした。

誰も傷つくことのない、爽やかな青春映画です。原作の漫画では、どこか神秘的で不思議な存在として描かれていた小寺さんですが、本作では「普段は普通の女子」という要素が押し出されました。それにより、誰にとっても経験のあるような、普遍的な成長の物語となりました。

監督は『ロボコン』(2003)や『武士道シックスティーン』(2010)などの青春モノを手掛けてきた古厩智之。脚本は『けいおん!』や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』など、アニメ界で数多く活躍している吉田玲子です。

主人公の近藤は、『惡の華』(2019)や『今日から俺は!!劇場版』(2020)で主演を演じた伊藤健太郎。小寺さんに抜擢されたのは、元モーニング娘。工藤遥です。清水崇監督の新作ホラー『樹海村』(2021)でも好演しています。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)

モスクワの刑務所に収監されていたIMFエージェントのイーサン・ハントは、仲間のベンジーらの手引によって無理やり脱獄させられました。彼らによれば、ブタペストにて行われた任務の最中、仲間のエージェントが別組織の暗殺者に殺され、核ミサイルの発射コードが入ったファイルも奪われてしまった、ということでした。その背後には「コバルト」という秘密組織がいると判断され、その手がかりをつかむため、クレムリン内の機密情報を手に入れるミッションが与えられます。しかし、特殊なスパイ道具を駆使して侵入には成功したものの、所定の場所には情報のテープは存在せず、急いで任務を中止し脱出するものの、クレムリンは大爆発、彼らはその主犯としてロシア警察から追われる身となります。

シリーズの第4弾です。ブライアン・デ・パルマが監督した『ミッション:インポッシブル』(1996)では、CIA本部の機密を盗み出すシーン、床のセンサーを回避するために宙吊りになるアクションが有名ですが、その後のシリーズでも、セキュリティ上不可能な建物への侵入が描かれるのがお決まりとなりました。

ジョン・ウーが監督した『M:I2』のオープニングでも、休暇中にフリークライミングをしているシーンが描かれるほど、変装と同じくらいに「登る」ことが得意なイーサン・ハントですが、今回はドバイにある世界一高い高層ビル、ブルジュ・ハリファの外壁を登ることに挑戦。このスタントは、実際にトム・クルーズが演じています。

今回の監督は、アニメ映画『アイアン・ジャイアント』(1999)や『Mr.インクレディブル』(2004)を手掛けたブラッド・バードが担当しています。シリーズ中、最もコメディ要素もあり、またスパイが使うガジェットも数多く出てきて、非常に楽しい一作です。

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