『キャラクター』公開記念 ミュージシャンが出演するおすすめ映画5選!

映画

2021年6月11日、『キャラクター』が公開されました!

殺人を目撃してしまった漫画家がその状況にインスピレーションを受けて執筆した漫画が大ヒットしますが、犯人のサイコキラーが彼に接触、次第に運命が狂っていきます。

主演の漫画家を演じるのは菅田将暉、サイコキラーにはSEKAI NO OWARIのボーカル・Fukaseがキャスティングされています。また、脇を固めるのは、小栗旬、高畑充希、中村獅童といった面々。演技初挑戦となったFukaseは、複雑な設定の役をミステリアスに演じました。

そこで今回は、本業はミュージシャンの出演者が活躍する映画をご紹介します!

『8 Mile』(2002)

1995年のデトロイトが舞台です。「8マイル」とは街を突っ切る通りの名前で、富裕層街と貧民街を分ける境界線の象徴でした。貧民街に住むB・ラビットの夢は、いつの日かラッパーとして成功をすることです。しかし、当時のHIP HOPは、まだまだ黒人文化に根付いたものであり、白人の彼は、ラップバトルに出場しても負けてばかりでした。ある日彼は勤め先の工場で、ウェイトレスのアレックスと出会います。

MCバトルってこんな時代からあったのね〜

困難な状況に立たされても、それを打開しようと、戦う姿勢を貫く、熱のあるストーリーです。監督は『激流』(1994)や『L.A.コンフィデンシャル』(1997)などを制作した大御所、カーティス・ハンソンです。当時では珍しい、ヒップホップを全面的なテーマにした映画となりました。

主演のB・ラビットを演じるのは人気ラッパーのエミネムです。母子家庭で貧しい暮らしをしていた少年時代からラップバトルに挑戦していた彼と重なる部分が多く、半自伝的な物語とされています。作中でも披露していた主題歌『Lose Yourself』は、公開年のアカデミー賞で歌曲賞を受賞しました。

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2008)

舞台はニューヨーク。失恋したエリザベスは、元恋人が住む部屋の向かいにあるカフェに通います。店員のジェレミーは傷心の彼女を静かに癒やすのでした。しかしいつまでも彼を忘れられない彼女は、気持ちに整理をつけるために、アメリカを横断する放浪の旅に出ます。まず最初にメンフィスに定住した彼女は、バーの店員として働くことにしました。そこには、別れた妻への未練を消せない、常連客のアーニーがいました。話を親身になって聞く彼女ですが、ある日彼に決定的な出来事が起きてしまいます。

即興的なセリフと美しい色使いの映像による、独特な空気感が続く映画です。心に傷を負った主人公が、様々な土地で他人と心を通わせます。その過程で明確に何かを得るわけではありませんが、いつしか心が浄化されていくことに気づきます。

監督は、『恋する惑星』(1994)や『花様年華』(2000)などが有名な、香港出身の映画監督、ウォン・カーウァイです。レスリー・チャントニー・レオンが主演した『ブエノスアイレス』(1997)ではカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。

そして、主演するのは、ノラ・ジョーンズです。優しい歌声が特長のシンガー・ソングライターで、デビュー・アルバムの『Come Away with Me』が全米チャートのトップに躍り出て、その年のグラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞しました。現在も精力的に活動しています。

『スワロウテイル』(1996)

「イェンタウン」と呼ばれる、移民であふれる東京のような街が舞台です。母親が亡くなってしまった少女は娼婦のグリコに引き取られ、アゲハと名付けられます。ある日、アゲハにちょっかいをかけてきたヤクザの男を誤って殺してしまいました。仲間たちとその死体を処理しようとしていたところ、体内から磁気データが記録されたカセットテープを入手します。それは一万円札を印刷データでした。彼らはそれを使って偽札を量産。それを元手にライブハウスを開業し、夢だった音楽業界に飛び込みます。

主演のグリコ役にミュージシャンのCharaを迎え、音楽監督にはMr.Childrenレミオロメンなどのプロデューサーを勤める小林武史が選ばれました。劇中に出てきた架空のバンド「YEN TOWN BAND」は、小林武史自身がプレイヤーとなり実際にも活動、シングル『Swallowtali Butterfly〜あいのうた〜』はオリコンチャートで1位となりました。その後も定期的に活動を続けています。

のびのびと自然な演技を見せるCharaは、意外にも映画に出演したのは、本作ともう一本『PiCNiC』(1996)の2本のみ。それらの監督を務めたのが、岩井俊二です。彼は、ミュージックビデオやテレビドラマの監督を数多くこなす映像作家でしたが、1994年に山口智子主演の『undo』で長編映画デビュー。本作で国内外に広く支持されますが、それ以降も『リリイ・シュシュのすべて』(2001)や『花とアリス』(2004)、『ラストレター』(2020)など、多数の映画を発表し、日本映画を代表する監督の一人となりました。

『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)

ロンドンに店を構えるテーラー、しかしその裏の顔は、秘密裏に悪を倒す諜報機関「キングスマン」。主人公のエグジーはエージェントの登用試験に合格し、日々の任務をこなしていました。しかしある日、仲間の諜報員たちが次々と暗殺される事件が起きます。麻薬密売組織である「ゴールデンサークル」の仕業でした。生き残ったエグジーはアメリカに飛び、関連組織である「ステイツマン」の面々に会いに行きます。

主演は前作の『キングスマン』(2014)に抜擢されて名を挙げたタロン・エガートン。その教育係として、『英国王のスピーチ』(2010)のコリン・ファース、同僚のマーリンは『キック・アス』(2010)や『シャザム!』(2019)などでは印象に残る悪役を演じたマーク・ストロングが扮しています。また、アメリカの組織「ステイツマン」のメンバーには、ジェフ・ブリッジス、チャニング・テイタム、ハル・ベリーという豪華な面々。悪の組織の首領は、『エデンより彼方に』(2002)や『アリスのままで』(2014)などに出演していた演技派、ジュリアン・ムーアが演じました。

本作には、エルトン・ジョンが本人役で登場します。映画の中に実在のミュージシャンが本人役として出演することはありますが、たいていの場合は、演奏シーンだけであったり、主人公にひとことふたこと示唆を与えてくれるような「ちょい役」です。しかし本作におけるエルトン・ジョンは、エグジー顔負けの大活躍を見せます。このギャップには思わず笑ってしまいます。

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(2007)

一匹狼の海賊、ジャック・スパロウはデイヴィ・ジョーンズの墓場に閉じ込められていました。エリザベス、ウィル・ターナー、バルボッサの一味は、彼を助け出すためにサオ・フェンと接触します。彼の導きにより世界の果てにたどり着いた一行はジャックに出会えます。一方、海賊を殲滅しようと企む、東インド会社のベケット卿の命令により、ひしひしと追手が迫っていました。

呪われた海賊たち』(2003)、『デッドマンズ・チェスト』(2006)に続く第3段で、監督は引き続きゴア・ヴァービンスキーが担当しています。ジャック・スパロウを演じるのはもちろんジョニー・デップ。『シザーハンズ』(1990)でハサミ男を演じて以来、『ラスベガスをやっつけろ』(1998)、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)、『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)など、数多くのキャラクターに扮してきました。ウィル・ターナー役のオーランド・ブルームとエリザベス役のキーラ・ナイトレイを始め、バルボッサ役のジェフリー・ラッシュ、デイヴィ・ジョーンズ役のビル・ナイなど、おなじみの面々が登場します。

本作に出演するミュージシャンは、ジャックの父親、ティーグ・スパロウ役。演じたのは、ザ・ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズです。

ザ・ローリング・ストーンズは、1962年にイギリスで結成してから、ロック界でつねにトップであり続け、現在も現役で活躍する伝説のバンドです。『(I Can’t Get No)Satisfaction』や『Jumpin’ Jack Flash』など、印象的なリフで始まる名曲たちは、いまでも色あせません。

生粋のロックンローラーであり、このような大衆映画に出演する理由はないのですが、彼を敬愛してやまないジョニー・デップの熱烈なオファーにより実現したキャスティングでした。そもそもデップは、ジャック・スパロウの話をもらったときに、キースをモデルとして役作りをしていました。確かにターバンや髪型にその影響が見て取れます。

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